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3 :ほんわか名無しさん :02/07/10 22:15
交通安全週間のある日、母から二枚のプリントを渡されました。 そのプリントは、交通事故についての注意などが書いてあり、 その中には実際にあった話が書いてありました。 それは交通事故で加害者の立場で亡くなった人の家族の話でした。 残されたのはお母さんと子供たち、上の子が小学二年生、 下の子が五歳の男の子の兄弟です。 この人たちは、事故の補償などで家もなくなり、 土地もなくなり、住む家もやっとのことで四畳半のせまい所に 住めるようになりました。 お母さんは朝6時30分から夜の11時まで働く毎日です。 そんな日が続くある日、三人でお父さんのいる天国に行くことを考えて しまっていました。 (以下、プリントから) 4 :ほんわか名無しさん :02/07/10 22:15 朝、出かけにお兄ちゃんに、置き手紙ををした。 「お兄ちゃん、お鍋にお豆がひたしてあります。 それを煮て、今晩のおかずにしなさい。お豆がやわらかくなったら、 おしょう油を少し入れなさい。」 その日も一日働き、私はほんとうに心身ともにつかれ切ってしまった。 皆で、お父さんのところに行こう。私はこっそりと睡眠薬を買ってきた。 二人の息子は、そまつなフトンで、丸くころがって眠っていた。 かべの子供たちの絵にちょっと目をやりながら、まくら元に近づいた。 そこにはお兄ちゃんからの手紙があった。 「お母さん、ぼくは、お母さんのてがみにあったように、お豆をにました。 お豆がやわらかくなったとき、おしょう油を入れました。 でも、けんちゃんにそれをだしたら、 「お兄ちゃん、お豆、しょっぱくて食べれないよ。」 と言って、つめたいごはんに、おみずをかけて、それをたべただけでねちゃった。 お母さん、ほんとうにごめんなさい。でもお母さん、ぼくをしんじてください。 ぼくのにたお豆を一つぶたべてみてください。 あしたのあさ、ぼくにもういちど、 お豆のにかたをおしえてください。でかけるまえに、ぼくをおこしてください。 ぼく、さきにねます。あした、かならずおこしてね。 お母さん、おやすみなさい。」 目からどっと、涙があふれた。 お兄ちゃんは、あんなに小さいのに、こんなに一生懸命、生きていてくれたんだ。 私は睡眠薬を捨て、子供たちのまくら元にすわって、お兄ちゃんの煮てくれた、 しょっぱい豆を涙とともに一つぶ一つぶ、大事に食べました。
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